農業における労働保険・社会保険適用

農業における労働保険・社会保険適用

公的保険には、労働保険(労災保険・雇用保険)と社会保険(医療保険・年金保険)があり、農業は労働者数や事業形態(個人事業と法人事業)で、適用要件が異なります。以下、公的保険の目的・内容・適用事業について説明します。

1.労働保険

① 労災保険

労働者の業務上又は通勤による傷病等に対して必要な保険給付を行い、あわせて被災労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。労働者が業務上負傷等をした場合は、使用者は、療養に要する費用等を補償する義務がありますが、労災保険により補償が受けられる場合は、使用者はその給付の範囲内で使用者責任を免れることになります。

② 雇用保険

労働者が失業した場合、雇用の継続が困難(60歳以上の高齢、育児休業介護休業)となった場合、職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付等を行う制度です。

③ 労働保険適用事業の範囲(農業)

労災保険 雇用保険
事業形態 個人経営
(労働者常時5人未満)
法人経営個人経営
(労働者常時5人以上)
個人経営
(労働者常時5人未満)
法人経営個人経営
(労働者常時5人以上)
適用 任意加入※ 強制加入 任意加入 強制加入
保険料負担者 全額事業主 13/1,000(農業の場合)
※料率は平成30年度のもの
事業所負担 7/1,000(農業の場合)
6/1,000(酪農、畜産の場合)
労働者負担 4/1,000(農業の場合)
3/1,000(酪農、畜産の場合)
※料率は平成30年度のもの
運営者 政府
窓口 労働基準監督署 ハローワーク

※一定の危険有害な作業を主として行う事業であって、常時労働者を使用する事業又は経営者が特別加入をしている事業は強制加入です。

2.社会保険

① 医療保険

生活の安定と福祉の向上を図るため、疾病、傷害等の費用負担を軽減するための制度です。

② 年金保険

生活の安定と福祉の向上を図るため、老齢、障害等について保険給付を行う制度です。

③ 社会保険適用事業の範囲(農業)

保険の種類 医療保険 年金保険
国民健康保険 健康保険 国民年金 厚生年金保険
事業形態 個人経営 個人経営
法人経営
個人経営 個人経営
法人経営
適用 住所地の国保にそれぞれ加入 法人は強制加入
個人は任意加入
20 ~ 59歳までそれぞれ加入 法人は強制加入
個人は任意加入
保険料負担者 労働者の自己負担 事業主と労働者で折半 労働者の自己負担 事業主と労働者で折半
運営者 市町村 全国健康保険協会 政府 政府
窓口 市町村役場 協会けんぽ支部 市町村役場 年金事務所

※農業を営む個人事業主の場合、従業員数に関係なく強制適用ではありませんが、事業所で使用される者の2分の1以上の同意及び厚生労働大臣の認可があれば任意適用事業所となることができます。

ポイント
労働・社会保険と女性への公的支援について
健康保険被保険者の女性従業員が出産する場合は、公的支援として出産育児一時金が、産前・産後休業取得時には出産手当金が支払われます。また、雇用保険被保険者の女性従業員には、育児休業給付金が支払われます。
女性従業員が安心して働ける職場づくりに向け、労働保険(労災保険・雇用保険)、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入しましょう。※公的支援制度の説明は「働く女性のための制度と公的支援」参照
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