労働条件を整えたい

働きやすい職場風土の形成

どんなに法律に沿った社内制度があっても、「申し出るのに気が引ける」「暗黙の了解で利用できない」といった風土が蔓延していては仕方ありません。少子高齢化、働き手不足の問題は今後益々深刻になります。出産、育児、介護等のライフステージは誰にも起こり得ることであり、休業・休暇を取得する側と取得しない側の溝を作らないことで貴重な人材の流出を防ぐことが肝要です。会社全体で取り組み、業務をいかに分担していくか、休業取得者側も非取得者側も協力して考えます。社内の風通しの良い取り組みが、お互いの思いやりや感謝の気持ちを引き出し、組織力を向上させます。

休暇取得等の話し合いの際は、上司と部下だけでなく人事担当者も交えた3者の話し合いがスムーズです。小さな農業経営体であれば、事業主・相談窓口担当者(経営者の妻のケースが多い)・本人といった感じです。女性の出産、育児の相談窓口は理解が得られやすい女性担当者をつける等の配慮も必要です。

ライフステージの経験は、人を成長させます。出産、育児、介護等のブランクが職業キャリアにマイナスであってはいけません。そのためにも正社員、短時間正社員、パートタイマー等の、働き方の選択肢を制度として見える化します。業務内容、就業時間、求める能力、責任の度合い等を洗いだすと、会社も管理しやすくなります。パートタイマーから正社員への転換制度も設けなければなりません。転換要件を明らかにすることで、ここで働くことによる自分の望む未来像が描け、それに向けて努力する意欲が持てるようになります。管理職への女性登用も積極的に進められます。

みんなが働きやすい職場であること

女性活躍推進とは、能力があるにもかかわらず、女性であることを理由として賃金を抑えたり、役職に就けなかったりという不公平をなくし、能力に見合った評価を行い、活躍を促すことです。女性を優遇することではありません。

農業経営体は、一般企業のように「掛け声」から入るのではなく、ずっと以前からワークライフバランスが実践され、育児や介護を抱える女性の勤務時間に柔軟な対応をしている現状があります。女性の経営参画の意欲も高く女性目線を活かした事業展開で成功している例も多くみられます。性別に関係なく意欲と行動力のある人にチャンスを与えた結果、女性の活躍の場が広がったのです。女性が活躍している経営体は、各個人が持つものをのばし生かす経営であり、高齢者、障害のある方、男女問わず働きやすい職場となっています。

このサイトは、特に配慮が必要となる妊娠・出産・育児期の女性の労務管理における施策を中心に執筆いたしました。ルール作りのためにお役に立てましたら幸いです。

労務管理

労務管理の目的は組織を活性化し、事業を発展させることです。事業の発展には、優秀な人材の採用や育成が欠かせません。従業員の能率を長期間にわたって高く維持し、向上させるために、労務管理を適切に行いましょう。

働く女性のための制度と公的支援

持続可能で安心できる社会を作るためには、「就労」と「結婚・出産・子育て」、あるいは「就労」と「介護」での二者択一構造を解消し、ワーク・ライフ・バランスを実践することが必要です。

社内制度の整備

就業規則とは、事業場で働く労働者の具体的な労働条件や守らなくてはならない規則を定めたものです。
制度は作るだけではなく、周知することが必要です。方法としては、リーフレットの作成・配布、研修の開催、朝礼での説明等があります。対象者以外の従業員にも理解や協力を求めるようにしましょう。

労務管理とは?

「正社員かパートタイマーか」「所得税の扶養の範囲内で働きたい」「社会保険に加入して働きたい」「一番お得な働き方は ?」。女性が働くとき、家庭の背景や本人の働く目的により、様々な選択肢と疑問がうまれます。所得要件、加入要件について、具体的に見ていきます。